「お父さんのための言いかえ図鑑」大野萌子著

公開日: 更新日:

「お父さんのための言いかえ図鑑」大野萌子著

 熟年離婚の大きな理由のひとつが積み重なった夫婦間のコミュニケーションロス。ギクシャクしてしまった夫婦のコミュニケーションを取り戻すにはどうすればいいのか。

 心理カウンセラーの著者は、夫が言い方を変えるだけで、ポジティブな関係をつくれるという。それは夫婦だけでなく、親子関係でも同じだそうだ。

 本書は、家庭内でよくある会話を例に、夫が何げなく口にしてしまいがちなNGワードを紹介。その言葉を妻や子どもがどのように受け、それが夫婦や親子関係にどのようなひずみを生んでしまうのかを解説する。

 その上で、その言葉をどのように言い換えたら、お互いが気持ちよく会話ができ、家庭の雰囲気がよくなるのかをアドバイスしてくれる指南書。

 見るからに不機嫌そうな妻に「なんで怒ってるの?」と聞くと、さらに不機嫌になってしまうのはよくあるパターン。

 そもそも怒りとは「二次感情」で、怒りの奥底には寂しい、悲しいなどの「一次感情」が潜んでいる。妻が本当に寄り添って欲しいのはその一次感情。それなのに表面にある「怒っている」という二次感情だけをとらえられてしまうことで、さらに気分を害してしまう。

 ゆえにこんな時は「なんで~?」ではなく、「何か伝えたいことがあったら、言ってね」と素直に伝えるのが一番だという。

 ほかにも、意見を求められているのに「別にいいけど」など、ついつい言ってしまいがちな言葉の上手な言い換え例を教授。

 さらに子どもをほめる時に「次はもっとがんばれよ」などと言ってしまう教育編、さらにパート先の愚痴をこぼす妻に「嫌なら、やめればいいだろう」などの仕事編まで。

 思い当たる節がある人もない人も、夫婦円満・家庭円満のために一読を。

(笠間書院 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 2

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ

  3. 3

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  4. 4

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  5. 5

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  1. 6

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  4. 9

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  5. 10

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も