「シニアになって、ひとり旅」下川裕治著

公開日: 更新日:

「シニアになって、ひとり旅」下川裕治著

 コロナ禍によって制限されていた旅の自由がようやく戻った2023年。初心に戻り、国内のひとり旅に出た達人による紀行エッセー。

 人はある年齢を境に、かつて訪ねた場所にもう一度向かいたくなるらしいと、岩手県花巻を半世紀以上ぶりに再訪。前回は宮沢賢治が目的だったが、今回は閉店した地元デパートの最上階で今も営業を続けている「マルカンビル大食堂」だ。日本で唯一残るデパートの大食堂と聞き食指が動いたのだという。注文を済ませ料理を待つ間、長野で過ごした少年時代に母と妹と一緒に行ったデパートの風景が蘇る。

 以降、かつてお世話になった「キハ40形」に会いに行く千葉県小湊鉄道の旅や、北海道苫小牧から乗り込む仙台行きフェリーなど7編を収録。

(朝日新聞出版 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ