「なぜ難民を受け入れるのか」橋本直子著

公開日: 更新日:

「なぜ難民を受け入れるのか」橋本直子著

 国連難民高等弁務官事務所は2022年末時点で、世界では約1億840万人もの人が何らかの理由で家を追われていると推定。こうした難民の受け入れとは、迫害を恐れ庇護を求めてきた外国人に安定した法的地位を与え、地元住民と同等の権利を保障し、隣人として一緒に社会を構成すること。

 この難民保護は究極的には国家しか許可できない営みであるが、日本が過去半世紀ほど得意としてきたのは海外にいる難民への「支援」だった。

 はたしてそれが国益にかなっているのか。本書は、難民の定義から各国の難民受け入れの実情や政策の紹介、さらに難民受け入れに対する懸念としてあげられる治安悪化や財政負担についてもデータで検証。

 今後の難民受け入れのあるべき姿について提言する社会問題入門書。 (岩波書店 1232円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」