「嗤う被告人」前川裕著

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 登場人物は一見、信頼に値する者ばかり、一方の由起は「おバカな女」で、森本は彼女たちの証言を聞くほどに混乱を深めていく。複数ある遺言書の存在、由起の先手を読むような策略にページを繰る手が止まらなくなる。現実の事件を思い浮かべると同時に、森本がはまった“信用の偏差値”にドキッとするだろう。 (新潮社 2310円)

【連載】木曜日は夜ふかし本

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