「ロスト7」真山仁著

公開日: 更新日:

「ロスト7」真山仁著

 新潟の原発近くにある青田稲荷で、不審物が発見されたところから物語が始まる。神社の賽銭箱の上に黒いカバンが置かれており、そこには「触るな危険!!」の文字と放射能を警告する三つ葉マークが描かれた張り紙があった。カバンからは高い数値の放射能が検出され、旧ソ連製の超小型核爆弾、通称“レベジの核”が入っていた疑いがあったが、中身は空だった。

 日本政府は事態の収拾に向けて、元内閣情報調査室長の冴木治郎に白羽の矢を立てる。そんな矢先、海外に潜伏していた過激派組織「蒼き狼」のリーダーが突如日本に帰国。レベジの核との関係性を探るなか、ロスト7と名乗る人物からの犯行声明が届くなど、同時期にさまざまな動きが起こり始める。果たして冴木は、核の行方とロスト7の正体をつきとめることができるのか。

ハゲタカ」「売国」「オペレーションZ」など数々のヒット作を持つ著者による国際謀略小説。原発付近での小型核爆弾を使ったテロの背景に何が隠されているのか。米国の思惑にも翻弄されるなか、日本の存亡にかかわる危機を回避するべく奮闘するストーリーに手に汗を握る。

(KADOKAWA 2145円)

【連載】木曜日は夜ふかし本

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ