「歌舞伎町に沼る若者たち」佐々木チワワ著

公開日: 更新日:

「歌舞伎町に沼る若者たち」佐々木チワワ著

 ホストにハマる若い女性たちが社会問題となり、ホストが「年端もいかない判断能力に欠ける女性に色恋を利用して無理やり売り掛けをさせ、風俗に沈める」という定説が一般化した。しかし、そもそもホストクラブは疑似恋愛の場で、本当にただの色恋だけでだまされて女性は数百万円もの大金を落とすものだろうかと、著者は疑問を投げかける。

 著者は、ホストクラブという空間自体が、ただの色恋を演出するための場所ではなく、金を使う価値があり、金銭を投じることで評価される舞台装置として優れたシステムを有していると指摘する。

 本書は、ホストクラブやホストの実情、そしてホストにハマる女性たちの深層心理まで読み解きながら、若者たちが陥る歌舞伎町の「搾取と依存の構造」を明らかにする。

(PHP研究所 1155円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明