「持続可能なメディア」下山進著
「持続可能なメディア」下山進著
2017年、4212万部あった新聞の総発行部数は、24年に2661万部まで激減。ネットやSNSを生み出した技術革新により、既存メディアは岐路に立たされている。現在、メディアが抱える諸問題の根本は、民間企業としての持続可能性が失われていることにつきると著者は指摘する。
本書は、苦闘するメディアの実情を伝えるとともに、時代の流れに翻弄されることなく、読者・視聴者の信頼を得ながら繁栄する国内外のメディアを取材したリポート。
日本の週刊誌で有料デジタル版を唯一成功させている「週刊ダイヤモンド」をはじめ、日本で一番売れている月刊誌「ハルメク」の戦略や、1984年以降部数を伸ばしつつある英国の「エコノミスト」などの取材を通し、「持続可能なメディア」の条件を考える。
(朝日新聞出版 1045円)