「動的平衡は利他に通じる」福岡伸一著

公開日: 更新日:

「動的平衡は利他に通じる」福岡伸一著

 物質(非生命体)は、宇宙の大原則であるエントロピー(乱雑さ)増大の法則に身を任せざるを得ず、秩序あるものは無秩序になる方向にしか変化しない。ところが、生命だけはこの法則にあらがい、形のないところに形を作ろうとする。

 生命があらがうことができるのは、エントロピー増大の法則を先回りして、細胞内で休みなくタンパク質や構造体を分解しているからだと著者は説く。分解と合成という相反することを同時に行い、分解を先回りして行うこと、これを著者は「動的平衡」と名付けた。一方で生命は絶えず環境から物質を取り入れると同時に供給も行っている。動的平衡はこの利他性と密接な関係があるという。

 そうした動的平衡の視点から世界を改めて見回すエッセー集。

(朝日新聞出版 1045円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  4. 4

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 5

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  2. 7

    中川翔子「Switch2転売購入疑惑」を否定も火に油…過去の海賊版グッズ着用報道、ダブスタ癖もアダに

  3. 8

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 9

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る