次の自民党総裁選が誰でも菅義偉が“陰の主役”…絶対王者の力の源泉は何なのか?
事実上、小泉、林、高市の3候補がしのぎを削った自民党総裁選。終わってみれば結局のところ党の再生にも挙党体制にもほど遠く、国民有権者にはむしろ機能不全、回復不能の自民党を強く印象付けたことだろう。
「小泉をコントロールする菅義偉、再登板への意欲を隠さない岸田文雄、石破以外なら誰でも良かった引退間近の麻生太郎。この元首相3人の思惑も入り乱れ、政策論争より政局優先の総裁選に終始したことが残念です」
とは、自民党の某ベテラン職員の落胆である。
確かに、小泉、林の現職閣僚は石破政権の継承を訴え、高市元総務相は故・安倍晋三元首相の後継を名乗ったが、明確な対立軸を打ち出すにいたらず。憲法改正、安保外交、皇統問題、夫婦別姓、脱炭素代替エネルギー、税制・社会保障制度、人口減少・外国人労働者、政治資金・選挙制度、国会改革等々、保守政権与党の代表選であれば、あってしかるべき論争を素通りした総裁選だった。
「進次郎以外はどの候補も論客ですからガンガンやり合ったら盛り上がったでしょうが、そうなると進次郎に恥をかかせ、イジメているようで見栄えが悪い。何より後ろに控える菅さんを敵に回したくなかった。われわれ報道機関も含め、進次郎はまさに腫れ物でした」(全国紙デスク)