「バンクハザードにようこそ」中山七里著
「バンクハザードにようこそ」中山七里著
司法書士の東雲昴(しののめ・すばる)は、友人の燎原勲が小田原の雑木林で死体で発見されたことをニュースで知った。箱根銀行勤務の燎原は、女に貢ぐため200億円を横領して自殺したという。パソコンで書いた遺書があったが、燎原の妹・杏子は信じない。
杏子の机から出てきたUSBメモリーに東雲への手紙が入っていた。箱銀の粉飾決算に気づいた燎原がそのツケを押しつけられようとした経緯と、粉飾決算のデータが記されていて、妹に累が及ぶのを防いでほしいと書かれていた。東雲と杏子は復讐のため、箱銀を潰そうと決意する。
司法書士の顔をもつ天才詐欺師が、腐敗した銀行の闇を暴くエンターテインメント。 (KADOKAWA 1980円)