「夫が痴漢で逮捕されました」斉藤章佳著

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「夫が痴漢で逮捕されました」斉藤章佳著

 罪を犯した当人は裁かれ罪をあがなうべきであるが、日本では加害者とその家族が同一視される傾向がある。何の罪もない家族や親類まで同罪と見なされ社会的制裁の矢面に立たされてしまう。

 加害者家族は、自分が罪を犯したわけでもないのに「家族だから」という理由で心理的・社会的・経済的に追い詰められ、中には自死を選ぶ人すらいる。事件が性犯罪となると、なおさら加害者家族には強い嫌悪感や感情的な非難が向けられ、白眼視されやすい傾向にあるという。

 本書は、実例をあげながら、性犯罪の加害者家族が直面する「生き地獄」ともいえる実態から、支援の現場、さらに加害者家族を追い詰める世間や社会の病巣にまで言及する問題提起の書。 (朝日新聞出版 957円)

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