「私立探偵 マニー・ムーン」リチャード・デミング著 田口俊樹訳
「私立探偵 マニー・ムーン」リチャード・デミング著 田口俊樹訳
戦争で右脚を失い義足の探偵ムーンに弁護士のランダルから依頼の電話がかかってきた。ランダルは身の危険を感じているらしいが、電話で依頼の内容は話せないという。
ムーンが彼の事務所を訪ね、秘書がインターホンで取り次ぐと、ランダルは、面会は次の依頼人の後だと言い出す。怒ったムーンが帰ろうとすると、ちょうどその依頼人が入ってきた。女性依頼人の美しさに見ほれたムーンは、彼女ともう一度会うために待合室で待つことに。しかし、いくら待っても彼女は出てこない。秘書によるとランダルの部屋には外と通じる別のドアがあるという。ムーンが部屋に飛び込むとランダルは殺されていた。(「フアレスのナイフ」)
20世紀に活躍した著者が生み出した異色探偵を主人公にした作品集。 (新潮社 1320円)