「江戸の二十四時間」林美一著
「江戸の二十四時間」林美一著
時代考証家の著者が江戸に暮らすさまざまな階級の人々の24時間をドキュメンタリータッチで紹介する歴史読み物。
浮世絵師の鳥居清長は、画業のかたわら、日本橋近くで小さな本屋を営み、地主に雇われ長屋の家主も兼務していた。
清長が暮らす長屋には、易者や呉服屋の番頭一家と大工夫婦、筆職人、取上婆(産婆)の母娘、そして手習師匠が住んでいた。寛政4(1792)年6月19日、清長は明け六つの鐘を床で聞く。前夜遅く、空に丸い光りものが流れ、騒ぎとなり寝付けなかったのだ。そんな清長の一日を通し、家賃などの長屋のシステムや、家主の仕事、住人たちの暮らしぶりを紹介。
ほか、吉原遊郭や岡っ引き、旗本、将軍・家慶など、さまざまな立場の人のある一日を紹介しながら、江戸風俗を解説する。 (河出書房新社 1100円)