著者のコラム一覧
井上理津子ノンフィクションライター

1955年、奈良県生まれ。「さいごの色街 飛田」「葬送の仕事師たち」といった性や死がテーマのノンフィクションのほか、日刊ゲンダイ連載から「すごい古書店 変な図書館」も。近著に「絶滅危惧個人商店」「師弟百景」。

noma books[ノマブックス](習志野・大久保)本に救われた店主・馬渡さんが「本にお返しをしたくなって」オープン

公開日: 更新日:

■コーヒーの香りが漂う中、家族連れが絵本を広げ、大学生がゆっくりと棚を一回り

 何も考えられない日々の中で、気づけば100冊くらい本を読んでいた。高田郁の「あきない世傳 金と銀」と、生きる意味を問い直す一冊「生きがいの創造」に、とりわけ助けられた。「もう少し頑張ってみよう」と思えるようになり、「本にお返し」をしたくなったという。

 折も折、大和屋書店が後継者を探しているとネットで知る。当の大和屋書店の店主や取次店にすら「儲からない。やめた方がいい」と止められたが、馬渡さんが決断すると、空間プロデューサーら「応援してくれる人」が幾人も現れた。大和屋書店のスタッフも残ってくれ、準備期間はわずか数カ月。配達業務を引き継ぎながら改装し、店を開いた──。

 面陳列に「新刊おすすめ」「スタッフおすすめコミック・エッセイ」、はたまた「豊臣兄弟」などとインデックスが。私は、「心と体を温める本」のくくりで集められていた「365日のスープ」や「漢方生活」を手に取って……。コーヒーの香りが漂う中、家族連れが絵本を広げ、大学生がゆっくりと棚を一回りし、年配の1人客が雑誌を読む。そんな光景に、私も入り込む。「数が多すぎないから、選びやすいですよね」とカメラマンが、「きみがうまれたひ」(なるかわしんご著、空とぶロバ出版)を買っていた。

◆習志野市大久保3-11-19 大和屋ビル2階/京成本線京成大久保駅から徒歩8分/℡047-409-3710/午前9時~午後7時、無休

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐野勇斗は書道六段で英語も堪能 愛知県立岡崎西高校から明治学院大英文学科へ

  2. 2

    これが日本の「中流」サラリーマン転落の軌跡 年金の「繰り上げ受給」を選ぶのは、お金と仕事がない人

  3. 3

    ドジャース大谷翔平「サイ・ヤング賞&首位打者」同時授賞に現実味 4年連続5度目のMVPは既定路線

  4. 4

    見上愛は桐朋女子中高から日芸演劇学科に進んで演出家を志す 大学同級生・河合優実との本当の関係

  5. 5

    山口組、稲川会、住吉会…最高幹部3者の極秘会食で何が話し合われたのか

  1. 6

    嵐が去った後に340万人のファンが向かう先…Snow Man、M!LKに次いで有力“不祥事グループ”「ACEes」に募る不安

  2. 7

    ミスチル、銀杏BOYZ、T-BOLANの直前ライブ中止〈はやく判断できないのか〉アーティストの決断が遅れる背景とジレンマ

  3. 8

    「Aぇ!group」草間リチャード敬太は事件から“ほぼ復活” 大阪学院大で学んだ苦労人の前途

  4. 9

    巨人橋上監督代行が坂本勇人に肩入れする事情…出場メンバーとオーダーに“唯一”口を出した

  5. 10

    高市首相ハレンチ答弁の醜悪! 中傷動画疑惑めぐる「秘書音声」追及に「文春の有料会員イヤ」と屁理屈