著者のコラム一覧
井上理津子ノンフィクションライター

1955年、奈良県生まれ。「さいごの色街 飛田」「葬送の仕事師たち」といった性や死がテーマのノンフィクションのほか、日刊ゲンダイ連載から「すごい古書店 変な図書館」も。近著に「絶滅危惧個人商店」「師弟百景」。

くわのみ書房(習志野・大久保)義祖母の「家庭文庫」の思いを継ぐ絵本専門店

公開日: 更新日:

「本を選ぶことが自己表現」と店主・那須さん

 棚を一回りし、「落ち着きのあるベストセラーを選んでます?」と言うと、那須さんにっこり。「これは、昭和30年前後に始まった『岩波の子どもの本』シリーズ」と「ちいさいおうち」と「ひとまねこざるときいろいぼうし」を手になさる。そして、「あ、これが、ウチの絵本の基準になる本です」と、再話・大塚勇三、画・赤羽末吉の「スーホの白い馬」を持ってこられた。

 1961年の「こどものとも」(福音館書店)への掲載が、日本での初出。モンゴル草原に暮らす少年と白馬の絆が馬頭琴に結実する物語だ。「赤羽さんは戦中にモンゴルに滞在し、撮った写真を命からがら持ち帰っているんですね。なので、絵に嘘がない」と、話に熱を帯びた。

「店を始めて4年目くらいに、(仕入れる)本を選ぶことが、自己表現だと分かりました」

 取材後半、「大人のためのお話会」を催す女性たちが、自分たちの選書棚の本の入れ替えにいらした。常連の中年男性も2人いらした。普段から、大人のお客さんの方が多そうだ。

◆千葉県習志野市大久保1-8-10/℡047-419-3567/京成本線京成大久保駅から徒歩9分/午前11時~午後6時、日曜・月曜休

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