話題の大人向けレーベル「FOXサーチライト」の勝算と期待度

公開日: 更新日:

 今後に注目である。

■邦高洋低、東宝の独り勝ちに風穴あけるのは…

「邦高洋低」「東宝の独り勝ち」といったキーワードでくくられがちな、ここ数年の映画興行。この正月、ゼロ対決とうたわれた「永遠の0」と「ゼロ・グラビティ」も、東宝の製作・配給の前者が後者の興収を大きく上回った。国産の右傾エンターテインメントが、映画史を塗り替えたハリウッド大作を圧倒したわけである。映画人口自体が頭打ちの中、この種の作品やTVドラマの映画化作品などにしか足を運ばない観客に、いかに他の作品にも興味を持ってもらい、映画という大枠でのリピーターになってもらうかが、いよいよもって課題となってきている。

 興行側の現状はといえばかつては個性豊かなプログラムで若い映画ファンを増やす原動力にもなっていたミニシアターの淘汰が進む。資本の再編による系列化などで、劇場の没個性化の一途だ。映画は文化であると同時にビジネスであるわけだが、ビジネスの側面ばかりが強くなっている。

 結局は若く才能のある作り手の作品を一本でも多く製作・公開することで、観客が新たな出合いをする機会を増やしていくしかないのではないか。そうした意味で今年の注目と言えるのが、東宝が系列会社で本格化させる、製作費数千万円という中規模作品の展開。井口奈己の「ニシノユキヒコの恋と冒険」、飯塚健の「大人ドロップ」など新進気鋭の監督によるラインアップが並んでいる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」