“勝負”に負けてふくれ顔 板東英二が語る無邪気な高倉健さん

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■「どっちが人気があるか」

 撮影の休憩中には健さんが突然、「どっちが人気があるか、勝負をしよう」と言い出して。東宝スタジオから近い小田急・成城学園前駅の前に果物屋があり、その2階にある喫茶店に2人で入った。そこでどちらがたくさんの人から声を掛けられるのかを競おうというんです。近くには大学があり、店内には女子大生が多かった。大スターとそんな勝負をして勝てるわけがないのだが、無邪気に誘ってくる健さんの笑顔を見ると断れない。仕方がなくその勝負を受けたのだが、結果は意外にも6対1で僕の圧勝でした。

 誰もあの大スター・高倉健が目の前にいるとは思わないだろうし、いたとしても気安く声を掛けられる相手ではない。その点、僕には「板東だ!」と遠慮もへったくれもない。理由はどうあれ僕の圧勝。健さんはそんな取るに足りない勝負に負けただけでふくれっ面をしていました。

 その後、映画の試写会で大阪に来た時にも勝負を挑まれた。食事に行こうと夜8時ごろ、北新地を歩いていると、今度は「店に着くまでにどっちがたくさん声を掛けられるか勝負しよう」と言い出した。東京で負けたのがよほど悔しかったんでしょうね。可愛いところがあるんです。タクシーを降りて店までわずか30メートルぐらいの道のり。2人とも誰にも声を掛けられずに終わると思っていた。

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