すずきじゅんいち監督が語る 故・神代辰巳監督の圧倒的異才

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 人柄にも惚れ込んだ。

「まったく差別をしない人でした。『悶絶――』にはSMの女王と呼ばれた谷ナオミが出てたんですが、当時体調を崩していたため、僕が送り迎えしてたんです。それくらい俳優さんを大事にしてました。それに僕みたいな半端者にも神代組のスタッフと変わらぬ扱いをしてくれた。監督に連れられて毎日のように飲みに行ったのも、楽しい思い出です」

「悶絶――」クランクアップ後、神代監督の次回作「壇の浦夜枕合戦記」の助監督を務める予定だったが、希望者殺到でかなわず。神代監督とは1本きりで終わった。監督は83年に肺気胸で入院。車椅子に酸素ボンベをつけて入退院を繰り返しながらも、95年に急性肺炎で亡くなるまで生涯現役を貫いた。

 さて、すずき監督の新作「クロスロード」。

「神代監督に見てもらいたかったですねえ。映画を見てもけなさず、相手が落ち込むことは言わない人で、温かく見守ってくれたんじゃないかなと思います」

 11月28日公開の「クロスロード」は、青年海外協力隊創設50周年の記念映画。EXILE黒木啓司の初主演作として話題。ボランティア活動に疑念を抱くカメラマン(黒木)が青年海外協力隊員としてフィリピンに派遣され、隊員との摩擦や現地での経験をもとにボランティアの意味を考える。新宿バルト9他で全国公開。

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