著者のコラム一覧
西村賢太作家

 1967年東京都江戸川区生まれ。中卒。07年「暗渠の宿」で野間文芸新人賞、11年「苦役列車」で第144回芥川賞を受賞。近著に「痴者の食卓」などがある。

<第1回>下北沢って町は虫唾が走るんですよ

公開日: 更新日:

 私小説作家の西村賢太氏(48)が、「東京者がたり」(講談社刊)を上梓した。ご本人いわく「48年間の半生の中で長らく住んだ懐かしい風景から、胸糞悪いアウェーまで東京を脳内散歩した随筆集です」。テレビやラジオでもお馴染み、“文壇のひねくれ者”が見た東京の姿とは――。

 タイトルは、「東京物語」ではなく「東京者がたり」。一人称の色合いを濃く打ち出したところが私小説作家らしい。もとは「小説現代」で2012年2月から今夏まで連載していたエッセーだ。

「名付け親は坪内祐三さんなんです。12年暮れのある文学賞のパーティーの後、2軒目へ流れた時でしたか。雑談の中で、連載の担当編集が『東京物語』はどうかと提案してくれて。すると、坪内さんがどうせなら『東京者がたり』とひとひねり加えたら? と。僕はタイトルにはこだわるたちでして、これまでの作品は自分で決めていたんですが、とても気に入ったんですね。で、その場は肉まんをつまみに紹興酒で大盛り上がり。一から十まで他人様に考えてもらった初めてのタイトルということもあって、あとがきで触れようと思っていたら、すっかり忘れちゃった。それどころか、あとがき自体も付け忘れてしまって……」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁