会社設立の元NHKアナ松本和也さん 転機は福島での被災

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「最初のリポートは母校・灘高のそばのマンション倒壊現場でした。で、準備をしていましたら高校時代の恩師に声をかけられたんです。『母校の体育館が遺体収容所になってるから手伝え。そんなこと(現場リポート)してる場合じゃないだろ』と。さすがにお断りしましたが、心の片隅に『僕の仕事は本当に困ってる人を救ってないかも』という、心の葛藤が生じました」

 その後、福井支局を経て東京の本局へ異動。実直な司会が好評だった「英語でしゃべらナイト」(01~07年)をきっかけに、「紅白歌合戦」(07・08年)、「のど自慢」(10~11年)の司会を任されて看板アナの階段を駆け上がった。

「実は、いろいろと約束事の多い生放送のステージ司会は大の苦手だったんです。でもそんなことは言っていられませんから、必死で楽しそうにやっていました」

 そんな折の11年3月11日、福島県のJR郡山駅で東日本大震災に被災。13日に近隣の田村市で「のど自慢」が行われる予定で会場へ向かう途中だった。そのまま福島支局で助っ人としてラジオの仕事をしていたが、2日後に東京へ戻れと社命が下った。

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