長谷川初範さん 「飢餓海峡」で若山富三郎とガチンコ勝負

公開日: 更新日:

 ドラマ映画に出演、さらにミュージシャンとして幅広く活躍中のベテラン俳優、長谷川初範さん(63)。思い出の一枚は、これ!

 ◇  ◇  ◇

 この写真はテレビデビュー作の長編サスペンスドラマ「飢餓海峡」(1978年、フジテレビ系)のロケ中に撮ってもらったものです。左奥を、主演の若山富三郎さん(右)を追うように歩いてるのが僕です。

 原作は水上勉先生、恩師・今村昌平監督のプロデュースのもと、監督は恩地日出夫さんと浦山桐郎さん。若山さんは犯人を執拗に追い続ける弓坂刑事、僕は相棒で新米刑事の戸波を演じました。

 今村監督が校長を務めていた横浜映画専門学院(現日本映画大)に2期生として20歳で入学。卒業制作の舞台「ええじゃないか」では主役を任され、その演技を評価していただき、今村賞を受賞していましたが、まだ駆け出しもいいところ。そんな僕に役作りのイロハから丁寧に教えてくれたのが若山さんです。

 撮影初日、まずさせられたのは靴を汚すことです。「犯人を追いかけて歩き回った刑事の靴がピカピカじゃおかしいだろ?」。こんなことは学校で教わりませんし、もちろん台本にも書いてない。でも、いただいた役やそのシーンの設定をちゃんと考えて、小物にも気を使うのが本当の役者なんです。

 忘れられないのは、弓坂刑事が犯人を取り逃がしたため交番に左遷されることになり、その送別会のシーンです。やるせない思いを晴らすために弓坂刑事は署の柔道場で戸波刑事を一心不乱に投げ飛ばすのですが、これがスタントマンなしのガチンコ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ