著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

北海道テレビ×Netflix「チャンネルはそのまま!」に注目

公開日: 更新日:

 先週、北海道テレビが制作したドラマ「チャンネルはそのまま!」全5話が放送された。全国ネットではないので、ネットフリックスで見た。

 ヒロインの雪丸花子(芳根京子)は「北海道★(ホシ)テレビ」の新人記者。異種としてのバカ(「おバカ」ではない)を採用する、「バカ枠」入社だ。

 主演の芳根はコメディエンヌとしての才能をフル稼働させている。ドジだけど一生懸命。とことん他者の気持ちに寄り添う。迷惑をかけるが、何かのきっかけを生み出す。

 基本的には花子の奮闘記だが、カリスマ農業技術者にして農業NPO代表の蒲原(大泉洋、快演)が、横領事件の容疑者になるあたりから物語は一気に加速。エンタメドラマの佳作となった。

 またこのドラマではキー局との関係も含め、ローカル局の現状を垣間見ることができる。キー局から送り込まれた編成局長が部下たちに言い放つ。

「いいか! キー局では視聴率が全ての基準。数字が全てだ!」

 さらに視聴率でリードするライバル局「ひぐまテレビ」には、ホシテレビを目の敵にする剛腕情報部長(安田顕)がいる。ローカルにはローカルの熾烈な戦いがあることを、安田が凄味のある怪演で伝えていた。

 ちなみにネットフリックスはこのドラマに共同出資している。ローカル局が、キー局ではなくアメリカの動画配信会社と組んだことにも注目だ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    横浜高では「100試合に1回」のプレーまで練習させてきた。たとえば…

  3. 3

    健大高崎158キロ右腕・石垣元気にスカウトはヤキモキ「無理して故障が一番怖い」

  4. 4

    中居正広氏「秘匿情報流出」への疑念と“ヤリモク飲み会”のおごり…通知書を巡りAさんと衝突か

  5. 5

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  1. 6

    前代未聞! 広陵途中辞退の根底に「甲子園至上主義」…それを助長するNHK、朝日、毎日の罪

  2. 7

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  3. 8

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  4. 9

    あいみょんもタトゥー発覚で炎上中、元欅坂46の長濱ねるも…日本人が受け入れられない理由

  5. 10

    あいみょん「タモリ倶楽部」“ラブホ特集”に登場の衝撃 飾らない本音に男性メロメロ!