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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

「コンテイジョン」考 若い助監督が描いた悪夢のシナリオ

公開日: 更新日:

 ルネサンスやゴルフの由来話も途切れて、誰かが「コンテイジョン」でも見ませんかと言い出した。10年近く前に今回の感染パニックを先見の明で描いたパンデミックスリラー映画だ。アジアのどこか(中国か?)亜熱帯地のジャングルが伐採開発され、そのバナナの倒木にコウモリがたかり、コウモリが村の豚小屋に集って糞を落とし、豚が香港のホテルの厨房に運ばれて調理されて……と、ウイルスの繁殖経路が分かりやすく描かれて、そのうちアメリカで250万、世界で数千万人とどこでも人がどんどん死ぬ話だった。誰かがワクチンを発明して見事に収まるのだが、まさか現実になるとは世界中が思わなかったシロモノだ。集まった仲間で、そんなモノ今さら見たないわ、そんなのあったんですか、と口々に言うので、だったら、ワクチンが出来るオチがなかったら、製作者はどんな場面で終わらせたと思うか? と聞いてみた。

 若い助監督が手を挙げて、「あのソダーバーグ監督なら……」と演説し出した。

「アメリカで何百万人も死んでいくなら、もう仕事も会社もないでしょ。あとは一気に暴動と略奪ですよ。で、ついに、オバマ大統領にイラついていた共和党系白人主義者たちが、自衛戦争だとのろしを上げて全員が自前のショットガンで黒人暴徒たちを片っ端から攻めます。メキシコ人や中国、韓国人も絡まって、第2南北戦争か東西戦争に。ヒーローは次々に戦死して、誰が勝ち残るかでしょ」と。この悪夢のシナリオには皆、唖然と聞き入るしかなかった。

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