著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

小さなことを気にした光浦靖子が選んだ小さな夢を追う人生

公開日: 更新日:

 オアシズを「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ)などに起用した片岡飛鳥は、彼女たちが自虐のブストークを“発明”したと評価している。

 その後も「ブスだけど頭はいい」「ブスでも金は持ってる」など女芸人の生き方を笑いにつなげるフォーマットをたくさんつくり、多くのその後の女芸人たちがそれをマネた。

「自虐の笑いが批判されることも多くなりましたけど、光浦靖子というお姉さんが敷いたレールはとてつもなく太かった」(文藝春秋「文春オンライン」19年4月13日)と。

 それでも、光浦靖子は芸人としてコンプレックスがあるという。それはネタという芸人の本分から「逃げた」という負い目だ。冒頭の番組では、芸人になってから「一番になりたい」という思いがあったと語っている。けれど、本来はそんな性格ではない。「この世界に来たら、一番にならないと悪いやつ」「一番目指さなきゃダメだ」と叩き込まれていくうちに、そうなったのだと。

 ある時、ふと「逃げる」ことと「新しいことにチャレンジする」ということは紙一重のことだと気づいた。そう思うと全てがちょっと楽しくなった。子供の頃から、文房具屋や手芸屋にもなりたかった。

「ちっちゃいころの夢を、1個大成することはできないけど、もしかしたら人よりたくさん夢をかなえるのもカッコよくないかな?」(「ボクらの時代」=前出)と思い直した。小さなことを気にするよりも小さな夢を追う生き方を選んだのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  1. 6

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  2. 7

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 8

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも