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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

赤塚不二夫編<4>たこ八郎はママレモン入りサワーを作った

公開日: 更新日:

「なんだ、このサワーは」

 酔っていても味はわかる。たこに問いただすと、台所用洗剤・ママレモンを入れたことが判明。それでも怒られないのがたこちゃん。今では「たこちゃん伝説」のひとつとして語り草になっている。

 たこちゃんの亡くなり方も「らしかった」という。ある夏の夜、いつものように赤塚家では飲み会。朝方、「海に行こう」となり、みんなで神奈川県真鶴町の海に出かけた。泳ぎに自信があるたこちゃんは沖に向けて泳ぎ出したがそのまま溺死。海から出てくることはなかった。1985年死去。44歳だった。

「たこが海に帰っていったよ」とみんなで海に向けて合掌したという。

 私はたこちゃんと同時期ではなかったが、赤塚家には代々、さまざまな人が集まり、常に「なにか面白いことをやろうよ」というのが先生から課せられたテーマだった。

 初めて飲んだ日も面白いことの一端を垣間見ることになった。赤塚夫妻と近所の人たちだったと思うが、飲み始めて間もなく、「初めての人だから、あれを見せよう」と見せられたのが北朝鮮軍の行進ビデオだった。ニュースではお馴染みだが、延々と続く行進だけのビデオ。一糸乱れず足並み揃えた軍の行進を飲みながら見る。「凄いよな。みんな同じ人間だよ。こんなことができる国は凄い」と感激しながらはしゃぐ先生。

 北朝鮮軍の行進をこれほど真面目に見たのは初めてだったが、ずっと見ていると、確かに引き込まれるようだった。これを大人が揃って酒を酌み交わしながら真剣に見ている。このほうが笑える。

(つづく)

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