一雫ライオン
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一雫ライオン作家

1973年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部2部中退。俳優活動を経て、35歳のときに演劇ユニット「東京深夜舞台」結成を機に脚本家に転身。主な脚本作品に、映画「TAP 完全なる飼育」「サブイボマスク」、東野圭吾原作「パラレルワールド・ラブストーリー」など。2017年に家族愛を描いた「ダー・天使」(集英社)で小説家デビューし、翌年「スノーマン」出版。最新作は幻冬舎から出版予定。

忘れられない「馬鹿か天才しかいらねえんだよ!」の一言

公開日: 更新日:

「馬鹿か天才しかいらねえんだ」

 もちろん前者を選んだ。お礼を伝えたかったが、社長はお亡くなりになった。いまも「てめえ馬鹿野郎この野郎馬鹿野郎!」の声とフレンチブルドッグの感触を覚えている。そして去り際、「がんばれ」と背中に言ってくれた言葉も。

 だから青年、こんなわたしと縁があったのが良いのかはしらぬが、どうぞ、馬鹿になってほしいのだ。

(つづく)

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