視聴者ドッチラケ…感染者数ばかりを追う情報・報道番組
東アジアには日本以上に感染を抑え込んでいる国があるが、それでもこの差は驚愕だ。日本の外国と比べるのが好きな国民性から考えれば、テレビ局はこういう違いをもっと明確に報じてもおかしくない。小池都知事はロックダウンを叫んだが、例えばロックダウンしたフランスの惨状にどうコメントするか、聞いてもらいたいものだ。
しかし、8カ月以上も「新たに○○人」「感染拡大」をお念仏のように唱え続けたまま。視聴者はマンネリすぎてシラケているのではないか。
そろそろこんな報道姿勢を一度総括してはどうか。未知のウイルスで誤報があっただろう。「来週は感染者20万人」「国民全員PCR検査を」と声高に叫んでいた人もいたが、現実と乖離(かいり)し過ぎだ。日本の感染者は総数で約10万人だ。
ところが、テレビは総括どころか「Go To」をPRしている。どの口が言っているのかとはこのことだろう。
これからコロナがどうなるかわからないが、BPO(放送倫理・番組向上機構)はこの間のあおりまくった報道姿勢を問題視しないのか。
(峯田淳/日刊ゲンダイ)