トランプ・ジュニアも投資する「ステロイド・オリンピック」本当に開催する?
スポーツ競技で禁止されているドーピングを、むしろ奨励する「ステロイド・オリンピック」の開催がアメリカで計画され、大論争が巻き起こっています。
ステロイド・オリンピックは、パフォーマンス向上薬(PED)を禁止するのではなく、ある程度の規制の中で使用して競技するというもの。来年5月ラスベガスで開催され、陸上、水泳、体操、重量上げ、格闘技などが行われる予定と伝えられています。
これまでの常識を覆すこのイベントが注目された理由の1つは、大会に投資する面々です。ドナルド・トランプ・ジュニアの投資会社1789キャピトル、シリコンバレーのテック・ビリオネアでトランプ支持者としても知られる、ペイパル創立者ピーター・ティール、映画監督リドリー・スコットの製作会社などが関わっています。
その賞金も破格で、各種目で世界記録を破るごとに100万ドル(約1億5千万円)がもらえます。あまりの高額ぶりに、既に参加表明した元オリンピック選手も出ています。
ステロイド・オリンピックを企画しているのは、オーストラリア出身の起業家アーロン・ドスーザです。彼はこの大会の目的を「時代遅れのドーピング規制」からアスリートを解放するためと語っています。彼によれば、世界アンチ・ドーピング機構が委託した2011年の調査では、すでにエリート選手の44%がこうした規制をかいくぐっていることが明らかになっているといいます。彼はパフォーマンス向上薬を禁止するのではなく、それを受け入れ、透明性を確保すべきだと主張しています。
しかしそれに対し世界アンチ・ドーピング機構は、「体に害をおよぼす可能性がある薬物や手法の使用を広めるもので、危険かつ無責任だ」と厳しく批判しています。
果たして実際に開催されるのか、今後の展開が注目されています。