著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

トランプ・ジュニアも投資する「ステロイド・オリンピック」本当に開催する?

公開日: 更新日:

 スポーツ競技で禁止されているドーピングを、むしろ奨励する「ステロイド・オリンピック」の開催がアメリカで計画され、大論争が巻き起こっています。

 ステロイド・オリンピックは、パフォーマンス向上薬(PED)を禁止するのではなく、ある程度の規制の中で使用して競技するというもの。来年5月ラスベガスで開催され、陸上、水泳体操、重量上げ、格闘技などが行われる予定と伝えられています。 

 これまでの常識を覆すこのイベントが注目された理由の1つは、大会に投資する面々です。ドナルド・トランプ・ジュニアの投資会社1789キャピトル、シリコンバレーのテック・ビリオネアでトランプ支持者としても知られる、ペイパル創立者ピーター・ティール、映画監督リドリー・スコットの製作会社などが関わっています。

 その賞金も破格で、各種目で世界記録を破るごとに100万ドル(約1億5千万円)がもらえます。あまりの高額ぶりに、既に参加表明した元オリンピック選手も出ています。

 ステロイド・オリンピックを企画しているのは、オーストラリア出身の起業家アーロン・ドスーザです。彼はこの大会の目的を「時代遅れのドーピング規制」からアスリートを解放するためと語っています。彼によれば、世界アンチ・ドーピング機構が委託した2011年の調査では、すでにエリート選手の44%がこうした規制をかいくぐっていることが明らかになっているといいます。彼はパフォーマンス向上薬を禁止するのではなく、それを受け入れ、透明性を確保すべきだと主張しています。

 しかしそれに対し世界アンチ・ドーピング機構は、「体に害をおよぼす可能性がある薬物や手法の使用を広めるもので、危険かつ無責任だ」と厳しく批判しています。

 果たして実際に開催されるのか、今後の展開が注目されています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ