横綱大の里が抱える“厄介な悪癖”…パワーだけでは勝てない「幕内の壁」が立ちはだかる
悪癖を抱えたままでは賜杯は遠い。
14日初日の9月場所で、昇進後初の優勝が期待されている横綱大の里(25)。新横綱の先場所は11勝4敗。琴勝峰の平幕Vを許した。
新横綱は毎日行う土俵入りの負担に加え、大関時代以上に「負けてはいけない」という重圧にさらされる。結果を出せなかった新横綱が多いのだが、大の里を苦しめたのはむしろ「引き癖」という厄介な悪癖だ。
若手親方が言う。
「立ち合いで相手を押し込めなかった時、あるいは攻めてる途中で押し返された時など、想定外の展開に弱い。そうなると両手をバタバタさせてはたいたり、相手の頭を抱えたりと、すぐに引いてしまう。自分の押しと圧力に絶対の自信を持ち、劣勢になった経験が乏しいからです。日体大1年時から学生横綱に輝き、入門時にはすでに193センチ、175キロ(現在は187キロ)の体格を誇っていたほど。アマチュアはもちろん、そんじょそこらの力士相手なら、立ち合いの圧力、パワーだけで勝てる。しかし、幕内はパワーだけではやっていけません」