著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

熱い飲料を好む人は食道がんリスクが高い? 英国で大規模研究

公開日: 更新日:

 食道がんは世界で7番目に多いがんで、2020年の世界がん統計によれば、がんによる死亡の約6%が食道がんでした。食道がんの危険因子として、飲酒や喫煙、胃酸の逆流などが挙げられます。近年ではまた、飲料の温度と食道がんの関連性も指摘されていました。

 そのような中、飲料の温度に対する好みと食道がんの関連性を検討した研究論文が、がんに関する専門誌の25年4月号に掲載されました。

 英国で行われたこの研究では、40~69歳の約45万人(平均56.9歳)が分析対象となりました。

 研究参加者に対して、温かい飲料(紅茶とコーヒー)の摂取量と温度の好みを調査し、食道がんとの関連性が分析されています。なお、温度の好みは、「非常に熱い」「熱い」「ぬるい」「熱い飲み物を好まない」に分類されました。また、研究結果に影響し得る年齢、性別、生活習慣などの因子について、統計学的な補正が行われています。 平均で11.6年にわたる追跡調査の結果、食道がん(食道扁平上皮がん)の発症リスクは、温度の好みが「ぬるい」もしくは「熱い飲み物を好まない」人と比べて、「熱い」人で、統計学的にも有意に増加しました。リスクの増加は、飲料の摂取量が多いほど増加し、1日に4~6杯未満の人で約2倍、6~8杯未満の人で約2.5倍、8杯以上の人で約3倍となりました。また、温度の好みが「非常に熱い」人では、1日に4杯未満であっても、食道がんのリスクが2.52倍となりました。

 論文著者らは「英国において、熱い飲料は54~62度で消費されることが一般的であり、飲料の温度を下げることで発がんリスクの低下を期待することができるかもしれない」と考察しています。

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