米国で注目 「記憶を守るミネラル」リチウムがアルツハイマーに効く?
アメリカでは気分の安定や不安の軽減を目的としたサプリメントとして知られる「オロチン酸リチウム」が、アルツハイマー病の進行を抑える可能性があるとして、注目を集めています。
ハーバード大学医学部のチームが科学誌『ネイチャー』に発表した研究によれば、アルツハイマー病の進行には脳内のリチウムの減少が深く関わっており、実験用のマウスにリチウムを含むサプリメント「オロチン酸リチウム」を投与したところ、脳機能の改善が見られたといいます。
そもそもリチウムは、健康な脳の中で神経細胞同士の情報伝達をスムーズに保つ役割を果たしています。正常に老化したマウスでは、リチウムが記憶機能を高める効果が確認されており、人間においても脳内のリチウム濃度が高い人ほど、記憶力が良好である傾向が見られるという報告もあります。
オロチン酸リチウムは、アメリカでは市販薬やサプリメントとして手軽に入手でき、価格も比較的安価です。リチウムには神経伝達の調整を通じて気分を安定させる働きがあるため、うつ病や不安症状の緩和、さらには脳や神経系の健康維持を目的として広く利用されています。