著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

名脇役→主役へ 田中邦衛さんのシャイで不器用な俳優人生

公開日: 更新日:

 ドラマ界は脇役ブームが続いている。数々の作品に起用されるうちに「この人いい俳優ね」と主役並みに注目度が増し、やがて主役にまで上り詰める。ムロツヨシ田中圭は今や引っ張りだこの人気を誇るまでになった。

 3月24日に亡くなった田中邦衛さん(享年88)は昭和を代表する名脇役だったが、今の時代とは色合いが違う。加山雄三の「若大将」や高倉健の「網走番外地」などシリーズを通してこれほど存在感を示した脇役はいない。

「邦衛さんがいてこそ主役が生きていた。他の俳優では務まらない絶対的なキャラがあった。邦衛さんなくしてヒットはなかった」と映画関係者は話す。

 田中の特異まれなキャラを見抜いた脚本家の倉本聰が起用したドラマ「北の国から」で主役に抜擢。田中の代表作となった。

「監督が俳優を育てた」といわれた昭和の映画全盛期。黒沢明監督と三船敏郎、山田洋次監督と渥美清に次ぐ倉本・田中のコンビだった。

 晩年は体調を崩したこともあり、仕事から遠ざかり家族と共に静かに暮らしていた。高倉健さんが亡くなった時もコメントを求めて自宅に取材に行くメディアもあったが、田中さんの時も同じだった。おそらく取材対応は初めてだった奥さんの丁重に断る対応に感服する記者もいた。それほど田中さんの私生活はベールに包まれていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー