「ここぼく」鈴木杏ら脇役輝かせる脚本・渡辺あや氏の絶妙

公開日: 更新日:

「確か現在も島根で主婦をしながら脚本家という渡辺さんは、多作ではありませんが、そのぶん注目度が高い。プロの脚本家の間で『もっともっと見たい』と評価される、プロが作品を楽しみにしている脚本家です。キャラ設定や心理描写がこまやかなので、視聴者も感情移入しやすい。かといってセリフが多いわけでもない。テレビドラマは視聴者に理解してもらおうと説明調のセリフになりがちですが、渡辺さんの脚本はひと言にいろいろな思いが込められていたりします。短いセリフって自信がないと書けないものですよ」

 もちろん、短いセリフでさまざまな感情を表現できる演者がいてこそだ。主人公の広報マンは「松坂桃李を意識した当て書きじゃないか」(ドラマ制作会社関係者)と言われるほどだ。

「松坂さんしかり、大学総長役の松重豊さんや、理事役の國村隼さんら脇を固めるのがすべて達者な役者さんで、だから押しつけがましくない渡辺さんの脚本も生きてくる。変人教授役の池田成志さんや、理事たちから圧力をかけられた教授役の国広富之さんも味があります。中でも論文不正を告発したポスドクで松坂さんの元カノ役の鈴木杏さんが光っていましたね。松坂さんに向かって『だめ』と、たったひと言で複雑な女心を表現したシーンは、グッと来るものがありました」(エリザベス松本氏)

 もちろん、鈴木が光るのも渡辺氏の脚本があってこそ。22日に第4回(全5回)が放送予定だが、途中からでも一見の価値アリだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった