著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

「劇場番長」見取り図がM-1チャンピオンになるためには…

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■強すぎる言葉と「おまえ」グセ

 よく、ツッコミに「死ね!」「殺すぞ!」という言葉を簡単に使うコンビを見かけます。こういう時は強すぎるから他のワードに言い換えるように指導しています。

 それでも、ネタのパワフルさは変わらず、声の小さなリリー君とのバランスが悪いので、ダメ出しはほとんど「もっと声張って!」しか覚えていません。それから、盛山君のセリフの語尾に「おまえ!」「なに言うてんねんおまえ!」「違うやろおまえ!」「やめろやおまえ!」と必ずワンセットで「おまえ」が付いてくるという問題もありました。気にしてはいても、クセになってなかなか取れないものです。

 語尾に「おまえ」が付くとなぜ良くないか? たとえば「やめとけ!」と言い切るとセリフにキレがあり、ボケもより際立つのですが「やめとけおまえ!」となると、語尾が流れてツッコミがぼやけてしまうのです。もちろんネタのセリフとして意図的に言う「おまえ」は別ですが、無意識で言ってしまう「おまえ」は百害あって一利なし。

 作り話のようですが、かまいたちの濱家君もワンセットで「おまえ」が付いてきて、なかなか直せませんでしたが、ある時、「盛山の“おまえ”が耳障りや~」と舞台袖から見取り図の漫才を見ていると、徐々に少なくなっていきました。盛山君もずいぶん減ったと思いますが、完全に消えてビシッとツッコミができた時には、M-1チャンピオンになっているかもしれません。

 子供の頃から目立ちたがり屋だったという盛山君、絵を描くのがうまく、どこか牧歌的な雰囲気のあるリリー君。全く違う個性が相まって、独自の世界を描き出す見取り図。これからの飛躍に期待です!

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