真中満の要領の良さは天下一品だった。付き合い居残りは一切せず、誰が残っていようがさっさと帰った
飯田哲也氏による「すべては野村ヤクルトが教えてくれた」(第24回=2020年)を再公開
日刊ゲンダイではこれまで、多くの球界OB、関係者による回顧録や交遊録を連載してきた。
当事者として直接接してきたからこそ語れる、あの大物選手、有名選手の知られざる素顔や人となり。当時の空気感や人間関係が、ありありと浮かび上がる。
今回はあの真中満氏について綴られた、ヤクルトの黄金期を支えた飯田哲也氏による「すべては野村ヤクルトが教えてくれた」(第24回=2020年)を再公開。年齢、肩書などは当時のまま。
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ベテランが一線を退き、入れ替わりに若手が一軍に定着……プロ野球でよく見る新旧交代劇です。それが僕にも訪れたとき、台頭してきたのが真中満(49)です。
真中は若松さんが監督時代に、本格的にレギュラーに定着しました。若松さんにすれば、打撃コーチ時代から熱心に指導してきた教え子で、しかも同じ左打者。当時は、相手投手が右腕のときは真中が、左腕だと僕がスタメンという起用法でした。当然、右腕の方が多いので、真中の出番が増えていくわけです。