眞子さんの生き方は皇室を「時代に合ったもの」に変えつつある

公開日: 更新日:

 しかし、皇室の儀式には明治になってできたものが少なくない。できたてほやほやの新政権を皇室中心にまとめるため、皇室の権威づけにさまざまな儀式が「伝統」かのようにつくられた。「納采の儀」もその一つである。

 戦前の大日本帝国憲法と皇室典範が対等であった二元法体系なら問題はなかっただろうが、現在の憲法は、結婚は両性の合意のみによるとしている。納采の儀にこだわることの方がおかしいのではないか。皇室だけが超越して存在できる時代ではない。もし皇室の「伝統」をいうなら、1000年以上も前の太古から続いている儀式だけを継続すればいいのではないか。

 皇室を変質させかねないという論もおかしなものだ。皇室もまた時代の中で生き続けているのであり、当然時代に適応していくべきだろう。むしろ、そのように改革していかなかった宮内庁の責任は重いといえる。

 眞子さんの結婚が大きな問題になった時でも、身を削って解決しようと試みた形跡はないし、親身になって眞子さんの相談に乗ったとも聞かない。眞子さんの結婚に対する批判があったのに、国民に理解してもらおうと丁寧に説明することもなかった。皇室に降りかかっている問題を、宮内庁長官を含め、自分たちの責任として解決しようとした職員は果たしていたのだろうか。この無責任体制こそ、眞子さんを追い詰めていったとしか思えない。

 時代は大きく変化しているのに、皇室だけは何もしなくても生き延びられると思っていることの方が異例であろう。(つづく)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」