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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

日本も青息吐息。国家と歴史の闇が暴かれる時だ

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 儀式の生中継と同じ時空にいたくなかったのでDVDを見て気を晴らした。教団とズルズル癒着のまさに「真のリーダー」だったに違いない政治家とは比べようもないが、ジョン・フィッツジェラルド・ケネディは59年前の11月、遊説中にダラスで暗殺され「国葬」された。アメリカの「平和と繁栄」を唱える若き大統領だったが、ベトナム戦争から軍事顧問団の撤退や、ソ連と核実験禁止条約や、東側と緩和外交、防衛費削減、人種差別撤廃とリベラル政策を進めたために、軍部と軍需企業の利益にならんと考えた政府内の戦争強硬のタカ派たちが黒幕になって仕組んだとされる事件だ。

 その黒幕たちがいきなり謀議する場面から始まるのが「ダラスの熱い日」(1974年)だ。これぞ、スリル&サスペンス。かのオズワルドが単独犯に仕立てられて殺されたという陰謀話だ。黒幕の俳優たちが大物でシブい。元CIA高官にバート・ランカスター、元軍人ロバート・ライアン。もちろん、ニュース映像も入るドキュメンタリータッチだ。暗殺チームが砂漠地で3方向から狙撃訓練をする場面まである。政府や事件調査委員会に忖度しないで、この暗殺には陰の政府がいて、タカ派軍人やテキサスの石油王らの陰謀だと確信犯で描いている。後の「JFK」(92年)の犯人捜査話を待つまでもなく、70年代のハリウッド映画は作りたいものを堂々と作ってたんだなと改めて感心した。脚本は「ローマの休日」を偽名で書いたダルトン・トランボ。「スパルタカス」「パピヨン」も手がけ、赤狩りに遭っても心は売らなかった硬骨漢だ。70年代中ごろは米政府がベトナムに敗北して疲弊していた時代だ。

 今、日本も青息吐息だ。国家と歴史の闇が暴かれる時だろ。映画屋たちよ、何かラジカルな企画を打ち出そうやないか。

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