著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<110>オレは今、人形が一番生き生きしてるなって思っちゃってるんだ

公開日: 更新日:

 今やってる展覧会のタイトルは、「楽園ノ空」なんだよ。もう「楽園」なわけよ。「楽園」のシリーズをずっと撮ってきただろ。これを始めたときは、楽園って、そうじゃなかったんだけど、ようするに、あれだな、ちょっと縁起が悪いけど、墓地、墓地というか死の世界、あの世なんだよ。

 あの世は楽園。“死の楽園”ってヘンだけど、楽園はもう死体、しゃれこうべだからね。だから、しゃれこうべが出てくるんだよ。“死の楽園”をね、やってるんだよ(荒木は長年、「楽園」をテーマにした写真を撮影。自分の部屋で花とフィギュア、人形を組み合わせて撮影する「楽園」のシリーズを近年、撮り続けている)。

 空もね、ずっと撮ってきただろ。今は、向こうが作品をつくってるわけだよ、空が。オレのための楽園にっていう感じだよ、空もね。「楽園ノ空」なんだよね。

■撮ることによって生かしてるんだよ

 楽園だからね、今はさ。それと少女。少女というのが、死人形だけど、生を生かすってんで、撮ってる。撮ることによって、生かしてるんだよ。死んだのを再生している。オレは今、人形が一番生き生きしてるなって思っちゃってるんだよ。まだね、オイタもしちゃってるんだよ(笑)。

 胸に手を入れた後だよ、これは。ちょっとずれてるだろ。まだそういう気があるっていうね(笑)。撮るときに、生きてりゃ、喋りとかなんとかでやってくじゃない関係を。今はね、それなしで、無言で対決しだしてっから、ぱぁ~っと。

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