TKOは記者会見をまんまと宣伝の場に変えた…芸能界への返り咲きなるか？

投資トラブルが発覚し会見を行ったTKOの木本武宏（左）と会見にかけつけた木下隆行（Ｃ）日刊ゲンダイ

　で、今回の会見、一番の狙いは、ふたりが一緒に記者会見をすることに意味があった。「TKOとして前に進める」と表現した通り、芸能界でコンビ活動するということを強調している。思惑通り、メディアも多数詰めかけたが、商売柄、こういう仕掛けがあってもいいと思う。実は会見の翌日正午、TKOの6年ぶりのトークライブのチケットが発売され、即完売となっているのだ。会場の大阪・梅田ラテラルは小さめのライブ会場ではあるが、即完売は彼らの狙いのまま。ここを実験台にライブがウケるとなれば、次々に各地でライブを開催できるだろうし、「営業」の仕事が入る可能性も高まる。事務所に所属していない分、営業力さえあれば収入はすべてふたりで分けられるので効率的だ。営業ギャラを半分程度に下げても、以前と収入はあまり変わりないだろう。

　僕は、パワハラ騒動の木下については昭和の時代の上下関係の強い芸人たちを想像してしまう。木下と初対面した際は、非常に丁寧な挨拶をされたし、まったく悪い面は見えなかった。また木本についても、「投資は自己責任」の大原則に立てば、彼を赤の他人が非難する筋合いでもない。紆余曲折はあったが、彼らがお笑い芸人としてより大きな存在に上っていってほしいと思う。