参院選「1人区」自民の牙城が崩壊危機 群馬、石川、鹿児島…歴史的敗北ラッシュも
保守王国が音を立てて崩れつつある。メディアや政党が実施した参院選の中盤情勢調査が出そろったが、自民党の状況は悲惨のひと言である。
とりわけ苦戦の度合いが強いのは、全国に32ある「改選1人区」だ。どの調査も自民優位はヒト桁にとどまり、6勝23敗(当時は29区)と大きく負け越した2007年参院選以来の歴史的惨敗を喫する可能性は大だ。
07年に勝利した群馬、福井、和歌山、山口、大分、鹿児島のうち、大分以外はその後の5回の参院選でも自民が白星を重ねた。そんな鉄壁の牙城でも今回は自民離れが進んでいる。
群馬は参政党の新人候補の猛追を受け、接戦に持ち込まれた。鹿児島は、引退した自民の尾辻秀久前参院議長の三女で無所属(立憲推薦)の朋実候補が保守票を奪い、序盤から優勢に立つ。和歌山では二階元幹事長の三男の伸康候補が苦戦。相手の無所属新人は元自民の世耕衆院議員の“子飼い”とはいえ、リードを許す。自民が鹿児島で参院議席を失えば、結党70年で初。和歌山は1998年に当時は自由党の鶴保庸介参院議員に敗れて以来、27年ぶりとなる。