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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

芸人たちが愛してやまないダイアン津田篤宏の原始的な笑い

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 こうして愛された結果、昨年の「27時間テレビ」(フジテレビ系)のMCの一角にまで上り詰めた。

 そんな津田と相方・ユースケの2人は、吉本の養成所NSC時代からエリート。同期の山里亮太は「先生がMVP選ぶんですよ、ずっと4月からMVP取り続けたコンビ」(TBS系「櫻井・有吉THE夜会」22年5月12日)と証言する。盟友でもある千鳥・ノブも「同世代とかでいうと、津田が一番ツッコミうまかったんちゃうかな、漫才の。イジりたくなるんでしょ? ボケの人って」(朝日放送「やすとものいたって真剣です」21年2月25日)と言う。

 そうやってイジられ続けた結果、もはや言葉にならない、技術など度外視の、感情先行型のツッコミに進化した、と大悟も評す。だからこそ芸人たちは津田のシンプルなツッコミを聞こうとして、津田をまたイジるのだ。

「津田さんにとって漫才とは?」という質問に津田は「漫才は漫才や! そういう質問してくる人めっちゃ嫌い」と吐き捨てた(日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」21年6月27日)。

 高度な技術や新しい発明、価値観が求められるようになったお笑い。その中で感情を素直に爆発させる津田の原始的な笑いを芸人たちは愛しているのだ。

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