スキャンダル無縁!鈴木亮平が初期に演じた「クセ強キャラ」 4選。もっと評価されるべき“異彩を放った”役も

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コクハク

 現在公開中の『劇場版 TOKYO MER ~走る緊急救命室~ 南海ミッション』ではチーフドクターの喜多見幸太役を演じており、今や押しも押されもせぬ日本のトップ俳優の座を欲しいままにしている、鈴木亮平さん。

 近年では、NHK大河ドラマ『西郷どん』やTBS系ドラマ『下剋上球児』など、正統派の実力派俳優というイメージが定着しつつある鈴木さんですが、実はブレーク前夜から直後にかけては、あまりにもクセが強すぎるキャラクターを演じていたことをご存じでしょうか?

 昨年、NETFLIXの映画『シティハンター』における大胆な演技も大きな話題となった鈴木さんが「キャリア初期」に演じたクセ強キャラたちを振り返ってみましょう。

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クセ強度MAX『HK 変態仮面』色丞狂介(2013)

 2006年の俳優デビュー以降、長らく下積み時代が続いた鈴木さんにとってのブレーク作品と言えば、世間一般的にはNHK連続テレビ小説『花子とアン』だと言われています。しかし、それ以前にも映画ファン界隈では大変な注目を集めた作品がありました。2013年公開の映画『HK 変態仮面』です。

 本作は、「週刊少年ジャンプ」で連載されていた同名マンガを福田雄一監督が実写化した意欲作。鈴木さんは、パンティーをかぶると驚異的なパワーを発揮する主人公の色丞狂介役を演じました。

 当時30歳にして高校生役に扮する時点でクセ要素を感じさせますが、パンティーをかぶると変態の血が騒ぐという設定は、クセ強度MAX!その変態仮面のコスチュームに関しても、ブリーフを肩まで伸ばしたものを身にまとい、網タイツをはき、顔にはパンティーというもはや映画館で上映して良いものかと心配になるレベル…。



 スクリーン全体に‘‘おいなりさん''がドアップで映る場面では劇場全体が笑いに包み込まれていました。ここまで振り切った演技は、鈴木さんにしかできないとさえ思わせます。

 コメディー要素ばかりでなく、変態仮面の肉体美は言わずもがな素晴らしいの一言につき、この時から役柄に合わせて体を作り込むストイックな役作りは健在。

 続編となった『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』(2016)では、アクションにも磨きをかけ、もはやアメコミヒーローと並び立てるほどのクオリティーにまで仕上げました。後の『シティハンター』にも通じる部分があり、鈴木亮平ファンであれば見ないのは損です。

鹿児島弁を巧みに操る『ガッチャマン』(2013)

 打って変わって次なる作品で鈴木さんが演じたのは、比較的、正統派のヒーロー役でした。2013年公開の映画『ガッチャマン』はタツノコプロが誇る大ヒットアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』を実写化した作品。

 本作で鈴木さんは、科学忍者隊のメンバーで、専用機ゴッドフェニックスの操縦士でもある「みみずくの竜」こと中西竜役に扮しました。非常に心優しい性格の持ち主であり、作品内における箸休め的な存在感を放つキャラクターでしたが、特筆すべきクセ強要素は鹿児島弁を巧みに操っているという点です。

 鈴木さんの代表作と言えば、ご存じ『西郷どん』を思い浮かべる読者も多いことでしょう。『西郷どん』劇中でも常に薩摩弁を話していた鈴木さんだけに、その土台となったのは、もしかしたら中西竜役だったのかもしれません。

 なまりの特徴を非常に良く掴んでいる鈴木さんの演技は、決して高評価とは言い難い作品の中で、明らかに異彩を放っています。まだまだ全国区ではなかった鈴木さんの存在感だけでも、もう少し評価してほしいとさえ思ってしまいます。

カオスな世界観+マッチョ!『TOKYO TRIBE』メラ(2014)

『HK 変態仮面』直後の鈴木さんは、自身に凝り固まったイメージがつかないように、さまざまな役柄を演じていました。中でも、とりわけエキセントリックな役どころだったのが、映画『TOKYO TRIBE』(2014)におけるメラ役です。

 複数のストリートギャングたちによる熾烈な覇権争いが繰り広げられるトーキョーを舞台にしたラップ・ミュージカルである本作。鈴木さん演じるメラは、架空の池袋「ブクロWU-RONZ」を率いるリーダー的存在。金髪の短髪に、二丁拳銃や刀を手にして睨みを利かせるその姿からはカリスマ性すらも感じさせます。



 決して善人と言えるようなキャラクターではありませんが、戦いに対して異常なまでの興奮を覚える好戦的な性格や敵への異常な執着心などを見事に体現した鈴木さんの演技には光るものがありました。

 本作でもその肉体美を惜しみなく披露しており、「鈴木亮平=筋肉」というイメージはこの辺りから定着し始めたのかもしれません。なんと! Tバック一枚で姿を現す場面も存在! カオスな世界観とマッチして、実にクセ強な存在感を発揮しています。

約30kg増量『俺物語!!』剛田猛男役(2015)

『HK 変態仮面』公開時30歳にして高校生役に挑んでいた鈴木さんですが、その約2年後となる2015年、大人気少女マンガを実写化した『俺物語!!』(2015)にて、再び高校生役を演じることになりました。

 本作は、逞しく心優しい性格でありながら、恋愛に関してはかなり不器用な男、剛田猛男を主人公とした、ラブコメディ。何を隠そう猛男役に扮しているのが鈴木さんで、ゴリゴリの体育会系男子をこれでもかとばかりに熱演しています。



 永野芽郁さん演じるヒロインの気持ちを理解できずに、気持ちの行き違いばかりが起きてしまう様子に胸キュンしながらも、猛男の容姿のインパクトが強すぎてなぜか笑ってしまうという少女マンガ原作の作品としては珍しい現象が起こるクセ強作品です。

 鈴木さんは役作りとして体重を約30キロも増量したという恐ろしくストイックなエピソードもあり、撮影中は常に筋トレをしていたと言います。この演技にかける情熱と飽くなき探求心があるからこそ、現場での色恋やスキャンダルとは無縁なのかもしれませんね。

 共演の坂口健太郎さんと永野さんは、鈴木さんの姿勢から何かを学べていたら良かったのに…。

クセ強キャラで培った魅力

 キャリアを通して、多種多様な役柄を巧みに演じ分けてきた、鈴木亮平さん。その魅力はキャリア初期からすでに発揮されており、クセ強キャラを数多く演じることで培われてきたものなのかもしれません。

 今後も年を重ねるごとに、より一層、インパクトのあるキャラクターを演じてほしいと願うばかりです。

(zash)

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