(2)国の制度下にないものは要注意…保健機能食品の中から選ぶ
健康食品市場は約9000億円に達し、血圧、血糖、体脂肪、腸内環境、骨、認知機能、老化、睡眠、ダイエット、男性機能改善、目やお腹の調子など、多くの人が気になる悩みを改善する商品がたくさん発売されている。注意したいのはそのなかに国の制度下にある「保健機能食品」以外に「怪しい健康食品」が混在していることだ。藤田医科大学名誉教授で一般社団法人日本食品安全協会代表理事でもある長村洋一鈴鹿医療科学大学客員教授が言う。
「保健機能食品とは、安全性と効果に関する国の基準に従うことで機能性表示が許されている食品です。個別商品ごとに国の審査が必要な『特定保健用食品(トクホ)』、審査はなく国が定めた基準量を順守さえすれば誰でも届けられる『栄養機能食品』、企業が臨床試験や文献レビューなど科学的根拠を示し消費者庁への届け出が必要な『機能性表示食品』の3種類があります。機能性の裏付けの強さからいえば、『トクホ』と、ビタミンやミネラルなどの『栄養機能食品』ですが、『機能性表示食品』もそれなりにしっかりしたものが多数あります」
それ以外は長村教授の言う「怪しい健康食品」となる。大事なことは怪しい健康食品は単なる一般食品扱いとなるため、錠剤、カプセル、液状などの形状であってもその製造に関して安全性確保の義務は全くないことだ。