米屋に忍び寄る大量倒産危機…新米高騰で消費者の“コメ離れ”じわり
待望の新米が出回り始めているが、その売れ行きが鈍化している。
JA福岡中央会の乗富幸雄代表理事会長は22日の記者会見で、価格高騰などの影響で新米の売れ行きが昨年より鈍くなっているとし、「コメが残らないよう、需要開拓の努力をしなければならない」と訴えた。
コメの価格は依然として高いままだ。農水省によると、今月14日までの1週間に全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、4275円(5キロ税込み)。3週連続の値上がりだ。備蓄米効果がなくなったほか、店頭に並び始めた新米が全体の価格を押し上げた。
通常は新米が出回り始めると、流通量が増え価格は下がる。しかし、今年度産米は猛暑や渇水で収穫量の減少が懸念され、JAと他の集荷業者の買い付け競争が過熱。新米の高騰を招いている。
■「これでもギリギリの価格」
神奈川県の老舗米穀店店主も「新米売れ行き鈍化」の報道に同調し、こう話す。
「当店では千葉県産の早場米『ふさこがね』の新米を、5キロ税込み4980円で販売しています。だいぶ高値になってしまい、実際に売れ行きも芳しくない。すでに消費者のコメ離れの兆候が見られます。仕入れ価格を考えると、これでもギリギリなのですが……」