「いつも、周囲の人々が自分をゴールまで運んでくれた。皆さん、ホンマにありがとうね!」
鬱々とする日々の中、突如として起きた神秘体験が転機に
巨額の借金を背負って鬱々とする日々を送っていた39歳のある日、岡山のキャバレーのショーに出演した後に泊まった旅館で、何とも不思議な体験をしたという。
「夜中にパッと目が覚めてしまって、座敷に座ってうつむいてたら、ふと目に入った畳の目が、『東京行け! 東京行け!』と話しかけてきた! それも、ものすごい数の畳の目が! 『幻でもいい。こんなにたくさんの畳の目が応援してくれるなら……』と思い立って、翌日、吉本本社でお偉いさんたちに直談判。『会社辞めて東京行きます!』と訴えた。急な話すぎてえらい怒られたけど、『帰って嫁と相談せえ!』の一言をいただきました」
自宅にとんぼ返りして妻に相談。「翌朝、『東京行き!』と言ってもらえたからこそ、今があるんやな」。結局、新喜劇は退団したものの吉本は辞めずに済んだほか、東京では明石家さんまに助けられるなどして芸能活動に勢いが出たという。2008年12月から11年1月まで行った地球1周「アースマラソン」も車の運転中に一瞬にして思い立ったといい、マネジャーに電話し、無茶を承知で企画してもらったという。
「まるで、水が必ず上から下へ流れるがごとく、周囲の人々が自分をゴールまで運んでくれるんです。だからこそ、声を大にして言いたい。皆さん、ホンマにありがとうね!」
そうほほ笑みつつ、日刊ゲンダイ50周年を祝福してくれた。
▽間寛平(はざま・かんぺい) 1949年、高知県生まれ。70年に吉本興業入り。74年に新喜劇の座長に昇格し、39歳で東京進出。2022年から吉本新喜劇でゼネラルマネジャーを務める。



















