「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」は、石原さとみの“セカンドデビュー”となったドラマ
たとえば、校閲部の先輩である藤岩りおん(江口のりこ)が、若い女性社員たちから「鉄のパンツ」などとからかわれる。憤った悦子は校閲で得た知識を援用して彼女たちを撃退。悦子の武器は元気だけではないのだ。
そんなヒロインの魅力を支えているのは、よく練られた脚本と自在な演出だろう。校閲した文字が画面上で乱舞するビジュアルなど、作り手の遊び心も満載だった。
元々の配属希望先だった編集部への異動を主張し続けながらも、校閲者としての進化は止まらない。原稿の事実確認のために必要だと思えば、休日を使ってでも調査に出かける。校閲という仕事における、結果的には無駄に終わることの多い、地道な「確認作業」の大切さが物語からじわりと伝わってきた。
さらに、石原のファッションがインスタグラムなどSNSを通じて話題となり、若い女性たちを番組へと誘導する。この年の秋から、テレビ番組を録画で見る「タイムシフト視聴」の本格的調査・運用が始まったのだが、「地味スゴ」は録画視聴の多さが際立った。
振り返れば、これ以前の石原は松本潤や山下智久の「相手役」といった立場が目立ち、女優として完全燃焼とはいえなかった。だが今回は、「鏡月」のCMで表現していた大人の女性の可愛らしさも、「明治果汁グミ」のCMで見せたコメディエンヌの才能も、思う存分解放している。まさに本領発揮であり、石原の“セカンドデビュー”ともいえる一本となった。


















