ちばてつやさんが日刊ゲンダイに語っていた「壮絶引き揚げ体験」と、自由にものが言える社会への思い
「あしたのジョー」をはじめ、数々の名作を残してきた漫画家・ちばてつやさん(本名・千葉徹弥)が22日に亡くなった。享年87。
1939年、東京生まれ。41年、家族と共に旧満州、奉天(現在の中国遼寧省瀋陽市)に渡った。終戦時は、国民学校1年に通う6歳だった。そこから両親と本人、5歳、3歳、それと生まれたばかりの弟の6人で約1年に渡る壮絶な引き揚げを経験する。命からがら福岡に帰国したのは、終戦から1年後、46年の7月だった。
壮絶な体験は、その後、「ひねもすのたり日記」などの作品に記録されている。敗戦で、それまでの日常が一夜にして変わり、家族の命は危機にさらされた。しかし過酷な状況下、一家は、父親の同僚で友人だった中国人男性が屋根裏部屋に匿ってくれるという経験もした。その時、外に出られない幼い弟たちに絵を描いてあげたことが漫画家としての原点となったという。
「あんな思いをしたんだから、大事なものなんてそれほどない。命や健康があれば、と思うのは、やっぱり引き揚げ体験が大きかった。言い換えれば、それ以外は無責任ってことなんですが(笑)」と、同じく“外地引き揚げ派”の作家の五木寛之氏に日刊ゲンダイの特別対談で語っている(2025年10月29日)


















