死者年間1万4000人…風呂で溺死しない「正しい入浴法」

公開日: 更新日:

 シャワー文化の米国でも、こうした入浴による健康増進効果が注目され、最近は気泡風呂などでお湯につかる人が増えているという。やはり、湯船につかるのは体にいいのだ。

 しかし、間違った入浴をしていると、健康どころか命に関わるリスクが増大する。

 死亡統計からの推計では、日本では年間約1万4000人が入浴中に死亡しているとみられている。全体の9割近くが65歳以上の高齢者で、12月、1月の冬季が圧倒的に多い。温度差によって、血管や心臓への負担が大きくなり、風呂で倒れてそのまま溺死するケースも目立つ。

「42度以上のお湯に10分以上つかっていると、高温によって心臓そのものがダメージを受けることに加え、交感神経が興奮して心拍数や血圧が上昇し、心臓の負担が増えます。循環血液量も減少するうえ、脱水によって血液の粘度が増し、血栓ができやすくなる。そのため、心筋梗塞脳梗塞を起こしやすくなるのです」(東丸教授)

 雪がちらつく中、寒さをこらえながら熱い湯を張った露天風呂にザブン――なんて温泉でありがちな行動は自殺行為といっていい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々