運動マヒの後遺症が改善 常識打破の脳卒中「新リハビリ法」

公開日: 更新日:

「脳は右と左がバランスを取りながら機能しています。たとえば脳卒中で右脳が損傷を受けると、左脳が右脳の働きを助けるというのが一般的な考えでした。しかし私は、健康な左脳の働きが強くなり、損傷を受けた右脳の働きを抑えつけるので、運動障害が改善しない、と考えたのです」

■発症後半年以内がリミットだったが、28年目の人も改善

 では、健康な脳の働きを抑制し、損傷を受けた脳の働きを上げればどうなるか?

 特殊な医療機器で脳に低頻度の磁気刺激を当てると機能が抑制し、高頻度の磁気刺激では機能が高まることは明らかになっていた。安保教授は、健康な脳に1ヘル
ツ の低頻度刺激、または損傷を受けた脳に10ヘル
ツ の高頻度刺激を当てた。すると、磁気を当てる前より腕が動きやすくなった。目安は40分間。当てる場所、当てる時間などは患者によって変える。

「ただし、磁気刺激だけでは一時的な効果しか得られない。作業療法士とマンツーマンによる2時間の腕を動かすリハビリ(タオルで机を拭く、ペンで文字や絵をかくなど)と、日常生活で自分で行えるリハビリを共に行うことが重要です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋