切手大が1000倍に…ヤケド治療「自家培養表皮移植」のスゴさ

公開日: 更新日:

■跡目立たず、拒絶反応なし

 自家培養表皮移植はまず、熱傷していないところから、切手ほどの大きさの皮膚を取る。取った皮膚は自家培養表皮を行う会社に送られ、そこで表皮の細胞を分離・培養。切手大だった皮膚が、3週間後には1000倍の大きさになるので、それを熱傷部分に移植する。

「移植するのに取る皮膚が切手大と小さいので、痕が目立ちません。移植する本人の細胞から作られた皮膚ですから、拒絶反応がないのも大きい」

 しかし、デメリットもある。培養した表皮は感染に非常に弱く、「培養したけど使えなかった」ということがある。真皮のない部分では、移植してもくっつきにくい。薄くもろいので、背中のように圧がかかる場所や関節のようによく動く場所には適していない。

「さらに、完全な皮膚ができるわけではありません。『元通りになる』と誤解している患者さんがいますが毛や汗腺などはできません。移植したところからは汗をかかなくなり、その分、残った本来の皮膚から汗が多く出るようになります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方